カクテル|楊貴妃のおいしい作り方をバーテンダーが解説


バーテンダー/ブロガーのいのかず(@InoKazuBlog)です。
今回の記事では、桂花陳酒ベースのカクテル「楊貴妃」について、材料やレシピに加え、おいしく作るためのポイントをご紹介します。
家でよりおいしくカクテルを作りたい!という人は、ぜひ最後までご覧ください。
楊貴妃ってどんなカクテル?


「楊貴妃」は、白ワインに金木犀を漬け込んで造られる「桂花陳酒」という果実酒(混成酒)をベースに、ライチリキュールとグレープフルーツジュース、ブルーキュラソーを合わせて作るカクテルです。
発祥は、ホテル椿山荘東京内にあるメインバー「ル・マーキー」さんだと、公式サイトで公表されています。
名前の由来はネット上で「楊貴妃がライチを好んで食していた」や「楊貴妃が桂花陳酒を好んで飲んでいた」などといわれていますが、これらが正しい情報なのかは不明です。
スピリッツが入っていないため、度数は10%前後と低く、桂花陳酒の華やかな風味とグレープフルーツジュースの爽やかさ、ライチリキュールのフルーティーさ、ブルーキュラソーの鮮やかな色味が合わさり、女性やお酒に弱い人、色合いが美しいカクテルを好む人に人気があります。



非常に飲みやすいカクテルですが、グレープフルーツジュースが入っているとはいえサッパリはしておらず、あくまで甘さとフルーティーさがメインのカクテルです!
楊貴妃の材料・レシピ


- 桂花陳酒:30mL
- グレープフルーツジュース:20mL
- ライチリキュール:10mL
- ブルーキュラソー:1tsp
- レモンジュース:1tsp
度数が低く、混成酒ベースで骨格も弱いため、振りすぎて加水が多くならないように注意。シェークが多いとたちまちペラペラになり、ただ飲みやすいだけの薄いカクテルになってしまう。ただ、混ざりが悪いと甘さによって口当たりが重くもなるので、バランス感覚が重要。
本来のレシピにはレモンジュースは入っていませんが、(使う銘柄にもよりますが)グレープフルーツジュースのみでは酸味が足りず、甘さの強い、現代においてはややバランスの悪い仕上がりになってしまいます。
もちろん加える加えないはお好みでかまいませんが、1/2~1tspレモンを入れることで、甘みはより心地よく引き立ちますし、本来のレシピよりも複雑かつ軽やかな仕上がりになるため、個人的にはおすすめしたいところです。



甘酸味のバランスって非常に重要なんですよね。1杯だけなら甘くても満足できますが、ただ甘いだけだと飲み疲れしちゃって次の1杯に進みづらくなります。
おすすめのベースを紹介
「楊貴妃」を作るうえで必要になるベースのお酒の中でも、個人的に特におすすめしたい銘柄をご紹介します。



ちなみに、本記事に載っている「楊貴妃」の写真は、すべて本章でご紹介している銘柄を使っています!すべての材料がほぼ一択と言っていいほど高品質の銘柄なので、ぜひ参考にしてみてください。
桂花陳酒〈麗白〉


生産国
中国
内容量 / 度数
500mL / 15%
宝酒造が販売する「桂花陳酒〈麗白〉」は、クセがなく甘く華やかで、全体的にバランスの取れた味わいです。
そもそも日本で手に入る桂花陳酒はそこまで種類がないため、迷ったらこの銘柄を選んでおけば間違いはありません。



実は僕、2種類しか桂花陳酒は飲んだことがないのですが、その2択でこの銘柄を選びました。普通においしいですし、価格も手軽で満足です。


ディタ ライチ


生産国
フランス
内容量 / 度数
700mL / 21%
「ディタ ライチ」は、多くのバーテンダーが愛用するライチリキュールです。
甘さ・ライチの風味・度数など、総合的に味わいのバランスが良く、どのカクテルにしてもよく馴染みます。
どのライチリキュールにしようか迷ったときは、とりあえずで選んでも間違いのない、優秀なリキュールです。


マリーブリザール ブルーキュラソー


生産国
スペイン
内容量 / 度数
700mL / 23%
「マリーブリザール ブルーキュラソー」は、深みのある青さが特徴のブルーキュラソーです。
甘すぎず、華やかなオレンジの風味があり、ケミカルさもないため、意外にロックで飲んでもイケますし、カクテルにしたときの馴染みも良好。
しっかりした青色を出したい人は、発色の良いマリーブリザールをおすすめします。



昔はシャルルバノーのブルーキュラソーが1番キレイな発色をしていたのですが、生産終了となった今、個人的に1番好みなのはこの銘柄です。とはいえ味わいで言えば、シャルルバノーよりもマリーブリザールのほうがオレンジ感もあってバランスも良いので、総合的にはやっぱり1番おすすめ。


まとめ
今回は、桂花陳酒ベースのカクテル「楊貴妃」についてご紹介しました。
- 色合いが良く甘くフルーティーな味わいで、お酒に弱い人や女性に特に人気が高い
- 度数が低いためシェークの回数が多いとペラペラに、少ないとリキュールの甘さが強くなるため、回数のバランスが大事
- レモンを少し入れることで、甘味と酸味のバランスが取れてより現代的で洗練された味わいになる
シェークのカクテルとはいえ、作る難易度はそんなに高くありません。
気をつけるのは、味わいのバランスとボリューム感のみ。
レシピや作り方以上に、シェークの仕方や回数など、シェークの感覚や技術に意識を置いて作ることで、味わいがワンランクアップすること間違いありません。
今回の記事を参考に、ぜひ家で「楊貴妃」を作ってみてはいかがでしょうか。






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