バーテンダー/ブロガーのいのかず(@InoKazuBlog)です。いつもご覧いただきありがとうございます。
どのバーにも必ず置いてあり、さまざまな飲み方で楽しまれるウォッカ。
自宅だと扱いづらい印象があるかもしれませんが、実はそんなことはありません。
そこで今回は、家飲み用のウォッカを探している人のために、以下の内容をご紹介していきます。
おすすめのウォッカを探しているけど、イマイチどうやって楽しもうか悩んでいる人や、今まで以上にウォッカを最大限楽しみたい人、買うお酒で失敗したくない人は、ぜひ最後までご覧ください。
そもそもウォッカとはどんなお酒なのか
無味無臭の蒸溜酒として知られているウォッカ。
語源はロシア語で“生命の水”を意味する「ズィズネーニャ・ワダ(Zhiznennia Voda)」の、「Voda」の部分だけが残り、ウォッカ(Vodka)と呼ばれるようになった、といわれています。
そんなウォッカがどのようなお酒なのか、せっかく飲むなら知っておきたい基礎的な知識をご紹介していきます。
知っておきたいウォッカの基礎知識
ウォッカの主な原料は、小麦・ライ麦・大麦・トウモロコシなどの穀類です。
まず原料を糖化・発酵させ、蒸溜し、活性炭などを使ってろ過をすることで、無色透明かつ雑味のない味わいが生み出されます。
生産国として有名なのは、ロシア・ポーランド・スウェーデン・フランス・アメリカです。
北方の国々で飲まれているイメージが強いですが、実は生産量・消費量が1番多い国はアメリカ。
無味無臭とよくいわれますが、全然そんなことはなく、知れば知るほどおいしさが感じられます!
ウォッカの選び方
ウォッカを選ぶときの指標となるのは、以下の3点です。
- 【価格帯】
低価格なら雑味やアルコール感が強くなり、高価格ならなめらかな口当たりと上品な味わいが楽しめる。価格による明確な線引はないが、高価格帯のものは「プレミアムウォッカ」と呼ばれ、原料や製造工程にこだわった銘柄もある。 - 【種類】
一般的なウォッカはもちろん、香料等を加えた「フレーバードウォッカ」もあり、こちらは使われる香料(ハーブやフルーツ)のハッキリとした風味が楽しめる。 - 【製法】
原料が違えば味わいがハッキリと変わり、蒸溜回数が多ければクリアな風味になり、少なければ力強い風味になる。
選び方の1つとして「生産国で分ける」という人もいますが、実際には生産国による違いは、正直なところ飲み手はほぼ感知できません。
ブラインド(銘柄を伏せて)で飲んで「これはポーランド産で、これはスウェーデン産のウォッカだなあ」と当てられることなど、相当飲み慣れた人でなければ、ほぼないでしょう。
わかるとすれば銘柄による違いで、これは製法が銘柄ごとにハッキリと異なるためです。
ウイスキーと違い、ウォッカは生産国ごとの特徴が非常に掴みづらいため、そこまで気にしなくてもよいでしょう。
もし自分で吟味して買う場合は、このあたりのことを意識してみてください!僕は単純に飲んだことのない銘柄を「とりあえず飲んでみる」という選び方でしか飲んできていませんが…。
ウォッカの楽しみ方
ウォッカは、ストレート・ロック・ソーダ割り・カクテルなど、幅広い楽しみ方ができます。
試す人は少ないものの、水割りにしても原料の甘さや風味がしっかりと感じられ、おいしく飲めるでしょう。
ただし、個人的には水割りにするなら高価格帯のものがおすすめです。
ストレートで飲む場合は、冷凍庫や冷蔵庫で冷やして飲むと、アルコール刺激を感じづらくなります。
ライムやレモンの果汁を少し加えてもGood!
【飲み手別】一度は飲みたいおすすめ銘柄
ここでは、ウォッカ初心者・飲み慣れた人、のような感じで、飲み手のレベル別に試してみたいおすすめの銘柄を紹介します。
どれも「一度は飲んでおきたい」という有名な銘柄だけを集めました。
下の「タブ」を選択すると、それぞれにおすすめの銘柄が出てきます!
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初心者におすすめの銘柄は、以下の銘柄です。
それぞれどんな銘柄なのか、簡単に解説していきます。
本当にメジャーな銘柄ばかりです!
ストリチナヤ・プレミアム
「ストリチナヤ・プレミアム」は元はロシアで造られていましたが、現在はラトビア産のウォッカです。
ウォッカを飲む人なら、誰でも知っていると言っても過言ではないくらい、非常に有名な銘柄の1つ。
自社農場で栽培された原料を使っており、風味は穏やかでクセがなく、良くも悪くもスタンダードな味わいです。
とりあえず何にでも使えます!映画にもよく登場しますね。ちなみに、500mlボトルもあるので、お試しで飲みたい人はチェック。
スカイ ウォッカ
「スカイ ウォッカ」は、アメリカのサンフランシスコで生まれたウォッカです。
4回蒸溜・3回ろ過をして造られ、37.5%と少し度数が低めなので、飲みやすくなっています。
ウォッカの中でも非常に安価で、少々雑味もあるため、そのまま飲むというよりはカクテル向けです。
このウォッカをベースに造られた瓶入りカクテル(そのまま飲む用)で、「スカイブルー」というお酒も販売されていますね。
スミノフ
「スミノフ」の原産はロシアで、日本に入ってくる商品は現在イギリスで造られています。
3回蒸溜・10回ろ過で造られ、「モスコミュール」や「スクリュードライバー」といった有名なカクテルはこの「スミノフ」から生まれました。
ウォッカの世界売上No.1ですので、日本においてもおそらく1番有名な銘柄でしょう。
低価格帯特有のアルコール刺激はありますが、カクテルにするとあまり気になりません。
以前韓国産になっていたこともありましたね。正直、一度飲んでおけば大丈夫かなと。こちらも、「スミノフアイス」という瓶入りカクテルが販売されています!
ピナクル ウオツカ
「ピナクル ウオツカ」はフランス原産、アメリカ販売のウォッカです。
フランス産小麦を使い、5回蒸溜で造られており、風味は割りとスタンダードで、小麦由来の優しい甘さと、クリアな味わいが楽しめます。
クセがなくて馴染みが良いため、そのまま飲むよりもカクテル向きです。
価格も安いですし、最初に買うウォッカとしては重宝すると思います。
アブソルート ウオッカ
「アブソルート ウォッカ」はスウェーデン原産のウォッカで、原料にもスウェーデン産の冬小麦が使われています。
蒸溜回数等は公開されていませんが、クリアでありながら、ほんのり甘い風味が楽しめるでしょう。
口当たりはなめらかですが、そのまま飲むよりもカクテルがおすすめで、優しい味わいに仕上がります。
ズブロッカ バイソングラス
「ズブロッカ バイソングラス」はポーランド産で、バイソンが好んで食べる草「バイソングラス」が中に入っているウォッカです。
フレーバードウォッカの1種で、桜餅のような、独特でほのかな甘い風味が楽しめます。
冷凍庫で冷やしてストレートで飲む人が多い印象です。
アップルジュースで割る「シャルロッカ」というカクテルがありますが、他の一般的なカクテルに使うのはおすすめしません。
【価格別】1,000~5,000円台の銘柄
この章では、予算別でどのウォッカを買おうか迷っている人向けに、1,000円台・3,000円前後・5,000円前後の3つの価格帯の中から、おすすめの銘柄をご紹介してきます。
手軽さを求めるなら1,000円台ですが、やはり“わかりやすく”おいしさが感じられるのは、3,000円前後の銘柄からですね。
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1,000円台で買えるおすすめの銘柄は、以下の銘柄です。
1,000円台のウォッカはやはり低価格なだけあり、アルコール刺激のある銘柄が多く存在します。
しかし、今回ご紹介する1,000円台の銘柄は、どちらも雑味とアルコール刺激が少ない、低価格ながらも質の高いものを厳選しました。
ウォトカ・ウォッカ
「ウォトカ・ウォッカ」は、最高級のライ麦から造られるポーランド産のウォッカです。
5回蒸溜と2回のろ過によって生まれる、スッキリとしたシンプルな味わいが楽しめます。
原料の栽培から瓶詰めまでを自社ですべて行い、パッケージングや広告費を抑えることで、低価格・高品質を実現したそうです。
実際に飲んでみて、この価格でこの雑味のなさは素晴らしいと感じました。非常にスタンダードな味わいですが、ストレートでもおいしく飲めます。
フィンランディア
「フィンランディア」はフィンランド原産のウォッカで、原料は食用の大麦としても知られる六条大麦です。
こちらの銘柄もクリアで雑味の少ない、スタンダードな味わいとなっています。
スッキリとドライめで、家飲みカクテル用として過不足なく活躍してくれるでしょう。
何を買うか迷ったときには、とりあえずで買っても損はしません。この価格でも普通においしく飲めます。
【飲み方別】家飲みで重宝する銘柄
この章では、家飲みでいつもしている飲み方に合わせられるよう、飲み方別におすすめのウォッカをご紹介します。
個人的な好みはあると思いますが、舌と脳をフル稼働させてけっこう厳選したので、ぜひ参考にしてみてください。
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ストレートで飲む人におすすめの銘柄は、以下の銘柄です。
冷蔵庫で冷やすのと、冷凍庫で冷やすのとでは、味わいがまったく違います。
その辺りの味の違いも、ぜひご自宅で試して楽しんでみてください。
ティトーズ ハンドメイド クラフトウォッカ
“3,000円前後の銘柄”でご紹介した「ティトーズ ハンドメイド クラフトウォッカ」ですが、同価格帯の銘柄の中でも特に、なめらかで優しい口当たりが楽しめます。
原料にトウモロコシを使うことで生まれる甘さは、ストレートで飲んだときに感じる、飲み心地の満足感に直結しているなと感じました。
甘いといっても、ほのかに感じる程度で、ちゃんとクリアさもあり、スッと飲めるはずです。
「ストレートでもおいしいウォッカを造る」というコンセプトで造られたそうですが、本当にストレートでも十分においしく飲めます。個人的には、冷凍庫保管が好きです。
グレイグース
3回目の登場となる「グレイグース」ですが、やはり高価格帯なだけあり、ストレートで飲んだときに感じる質の高さは段違いです。
ただクリアで雑味がないだけの銘柄と違い、少ない蒸溜回数によって生まれる、しっかりとした風味が楽しめます。
先ほどもお伝えしましたが、非常に汎用性が高いため、価格帯を抜きにすれば、とりあえずで買っても損はありません。
保存も、冷凍・冷蔵どちらでも構いません。冷凍だと爽やかさが、冷蔵だと小麦の風味が強く感じられます。
家でも簡単に作れるウォッカベースカクテル
やはりウォッカを家用に買うとなれば、ほとんどの人がカクテルを作ると思います。
今回は、シェーカーやミキシンググラスがいらず、誰でも作りやすいカクテルのみを厳選しました。
カクテルに使うおすすめのグラスについては、記事の1番最後に掲載します。
個人的におすすめのレシピをもとに、作る際のポイントもお伝えしていきます!あくまで作り方は一例であって、正解は存在しないため、そこだけご注意ください!
ウォッカトニック
- ウォッカ:30ml
- ライムジュース:2tsp
- トニックウォーター:適量
使用グラス:タンブラー(10oz)
先に氷を入れておいてもよいが、材料を先に入れることで、氷が溶けるのを怖がって焦るのを防げる。しっかりと材料を混ぜ合わせることで、トニックウォーターを入れるときに馴染みが良くなる。
氷に当てずに液体に直接注ぐと、炭酸が抜けづらく、液体もこの時点である程度混ざる。
炭酸が抜けないよう、ステアは最小限に抑えたい。STEP3で液体に直接トニックウォーターを注いでいれば、1回のステアで十分混ざる。
シンプルだからこそ、難しいカクテルです。カットライムを絞ってそのまま入れるのか、ライムスライスにするのか、それだけでも味わいがガラッと変わります。キレの良さよりも優しい風味が好きな人は、レモンに変えてもよいでしょう。
ウォッカリッキー
- ウォッカ:30ml
- カットライム:1/8カット
- ソーダ:適量
使用グラス:タンブラー(10oz)
個人的には、ライムは最後に入れるよりも、先に底に入れたほうが、飲むときに感じる香りが穏やかで好み。しっかりとライム感を出したい人は、後入れがおすすめ。エグみを出さないためにも、ライムを手で絞るときは強く絞りすぎない。
しっかりと材料を混ぜ合わせることで、ソーダを入れるときに馴染みが良くなる。
氷に当てずに液体に直接注ぐと、炭酸が抜けづらく、液体もこの時点である程度混ざる。
炭酸が抜けないように優しく1回ステア。マドラーを添えてライムを潰しながら飲むのが一般的だが、この作り方なら潰さなくても既においしく完成しているため、マドラーがなくても問題ない。
ライムを絞り入れるのが最初なのか、最後なのかで味がガラッと変わるため、好みを見つけるためにも両方試してみてください!エグみを出さないために、カットライムは入れず、ライム果汁を2tsp入れ、最後に薄く切ったライムスライスを入れるだけ、という作り方が、個人的にはけっこう好きです。
スクリュードライバー
- ウォッカ:45ml
- オレンジジュース:適量
使用グラス:タンブラー(12oz)
先に氷を入れておいてもよいが、ウォッカを先に入れることで、氷が溶けるのを怖がって焦るのを防げる。ウォッカをオレンジジュースと同じ温度になるくらいまで冷やす(or冷凍の場合は温度を上げて加水する)ことで、オレンジジュースを入れるときに馴染みが良くなる。
氷に当てずに液体に直接注ぐと、この時点でウォッカとある程度混ざる。
果汁100%のオレンジジュースは重たい素材のため、ちゃんと混ざるまでしっかりステアする。氷が少々溶けたとしても、水っぽくならない限りは一体感があったほうがおいしく飲める。
オレンジジュースは意外と甘さが強いため、レモンを2tspくらい入れて、爽やかさを出すのが僕の好みです。簡単に作れると言いつつも、ボストンシェーカーで作るほうが断然おいしいので、興味がある人は試してみてください。
ソルティドッグ
- ウォッカ:30ml
- グレープフルーツジュース:90ml
使用グラス:大きめのロックグラス
スノースタイルにするときには、カットしてあるレモン等の断面にグラスの縁を添わせ、濡らした後、あらかじめ塩を入れておいた小皿にグラスの縁を沿わせ、塩を付けていく。余分に塩が付きすぎた場合は、グラスを下に向けて持ち、持ち手の甲を逆の手で叩くと、余分な塩が落ちる。
グレープフルーツジュースはそこまでボディの強い材料ではないため、ステアをしすぎて水っぽくならないように注意。
基本的なレシピだと、けっこうあっさりしていて深みに欠けるため、個人的にはごく少量のシュガーと、ライムジュースを2tsp程度入れるのが好きです。難易度は上がりますが、こちらもボストンシェーカーで作るとおいしくなります。
ブラッディメアリー
- ウォッカ:30ml
- 無塩トマトジュース:適量
- レモンジュース:2tsp
使用グラス:大きめのロックグラス
スノースタイルにするときには、カットしてあるレモン等の断面にグラスの縁を添わせ、濡らした後、あらかじめ塩を入れておいた小皿にグラスの縁を沿わせ、塩を付けていく。余分に塩が付きすぎた場合は、グラスを下に向けて持ち、持ち手の甲を逆の手で叩くと、余分な塩が落ちる。
軽くステアしておくことで、トマトジュースとの混ざりが良くなる。ただし、あまりステアしすぎると水っぽくなりやすいため、軽く混ぜる程度にしておく。
氷に当てずに、直接液体に向かって注ぐと、ある程度その時点で液体同士が混ざる。
トマトジュースは重たい素材だが、この時点であまりステアしすぎてしまうと、後半に水っぽくなりやすいため注意。お好みでブラックペッパーやタバスコ、ウスターソース、セロリ等を入れてもよい。
「ブラッディメアリー」は、バーによって作り方がまったく違うカクテルです。家飲みだからこそ自由に試してもらいたいのですが、最初から副材料をあれこれ入れすぎてしまうと、本来のおいしさがわからないままになってしまいます。そのため、まずは上記のようなシンプルなレシピから作ってみましょう。
モスコミュール
- ウォッカ:45ml
- ライムジュース:15ml
- ジンジャービア:適量
使用グラス:カッパーマグ
先に氷を入れておいても良いが、材料を先に入れることで、氷が溶けるのを怖がり焦って作るのを防げる。あらかじめしっかりとステアしておくと、後に入れるジンジャービアとの一体感が出やすい。
氷に当てずに液体に直接注ぐことで、炭酸が抜けづらく、液体もこの時点である程度混ざる。ジンジャーエールではなくジンジャービアを使うことで、キレとパンチが強くなり、飲んだときの高級感や満足感が得られる。
炭酸が抜けないように優しく1回ステア。好みでミント・ライムスライスを添えてもよい。
もしカッパーマグがない場合は、タンブラーでも構いません。ジンジャービアがどんな飲料なのか知らない人は、以下の記事も併せてご覧ください。
ブラックルシアン
- ウォッカ:40ml
- コーヒーリキュール:20ml
使用グラス:ロックグラス
コーヒーリキュールは非常に重たい素材のため、しっかりとステアしないと、混ざり込みのない、ドッシリとした飲みづらいカクテルに仕上がるため注意。
使う材料が2つだけと、非常にシンプルなカクテルですので、素材の味がダイレクトに反映されます。少しでもおいしく作りたいなら、材料にもこだわりたいところです。泡立てた生クリームを上に浮かべると、「ホワイトルシアン」というカクテルになります。
ウォッカに関するQ&A
おすすめのウォッカについてのまとめ
ウォッカは銘柄によって、味わいや個性がハッキリと違います。
自分に合った銘柄が見つけられないと思ったら、今回ご紹介した「飲み手別」「価格別」「飲み方別」のおすすめ銘柄を何度も読み直し、飲んでない銘柄があったらぜひ一度試してみてください。
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