今回の記事では、自宅でもかんたんに作れる【ジンベースのカクテル】について、
- そもそもジンとは何か
- 誰でも作れるジンベースカクテル
- おすすめのジン
これらをご紹介していきます。
ジンってどんなお酒?
ジンとは、大麦・ライ麦・トウモロコシなどの穀物を原料に造られる蒸溜酒で、ジュニパーベリー(セイヨウネズの実)をはじめ、さまざまなボタニカルを浸漬し、造られるスピリッツです。
ジンにはいくつか種類があります。
- ドライ・ジン
主にはロンドンで造られていて、キレのいい味わいでカクテルベースとして重宝する - オールド・トム・ジン
粗悪だったジンの雑味を消すために砂糖を加えたことが発祥で、少し甘みのあるジン - シュタインヘーガー
ドイツで造られるジンで、ジュニパーベリー自体を発酵・蒸溜して造られる - ジュネバ(オランダ・ジン)
オランダで造られており、モルトを多めに使っているため、香味が濃厚。
似たものに【スロー・ジン】がありますが、こちらは名前に「ジン」と入っていても、実はスピリッツではありません。「スローベリー」というスモモの1種をベースとしたリキュールで、ジンにスローベリーを浸漬して造られるものもあれば、ジンを使わないスロージンもあります。
自宅でかんたんに作れるジンベースカクテル7選
数多くのジンベースカクテルの中でも、材料さえあれば「自宅で誰でもかんたんに作れる」ジンベースのカクテルを7つご紹介します。
シェーカーは初心者が扱うには大変なので使いません。ミキシンググラスを使うマティーニなども省きました。
ただ、少しでも美味しく作るなら「メジャーカップ」と「バースプーン」は必須なので、それだけ用意が必要です。
ジン&トニック
【ジントニック】は誰もが知っている1番有名なカクテルでしょう。
一般的に「バーでジントニックを飲めばそのバーの味がわかる」と言われています。
材料
- ジン:30~45ml
- レモンorライムジュース:好みの量
- トニックウォーター:full up
レモンにすると甘酸っぱい爽やかさ、ライムにするとキレのいい爽やかさになります。「トニックアップだけだと甘い」という人は、少しだけトニックを減らしてソーダを入れるのもアリです。中に入れるライムorレモンは、カットタイプでもスライスタイプでもどちらでもかまいません。
作りかた
- 冷えたグラスにジンとライムorレモンを入れる
- 氷を入れて材料が馴染むまでステア
- トニックウォーターを入れ、最後に1回ステア
カットライム(レモン)の場合は、氷の下に入れるのか、出来上がった後に氷の上に浮かべるかもお好みです。
ジンリッキー
【ジンリッキー】は甘さがなく、とてもスッキリとしたカクテルです。
材料
- ジン:30ml~45ml
- カットライム:適量
- ソーダ:full up
ライムは多くのサイトに1/2個と書かれていますが、小さいライムならいいのかもしれませんが、正直大きすぎます。
ポイントとして、ライムをカットするとき、芯や白い皮を取ることでエグみを抑えられます。
作りかた
- 冷えたグラスにジンとカットライムを入れる
- 氷を入れ、材料が馴染むまでステア(カットライムも一緒に)
- ソーダで満たし、最後に1回ステア
飲むときに「マドラーでライムを潰し、自分好みの味にする」というのがジンリッキーの楽しみ方の1つでもありますが、正直面倒くささもあります。ならば最初から好みの味の果汁量にしておけば、その手間が省けるでしょう。
ジンバック
ジンバックのバック(buck)は雄鹿のことで、キックのあるカクテルという意味です。
「一般的なかんたんレシピ」と「本格的で更においしくキックのあるカクテルにするレシピ」の2つをご紹介します。
一般的なレシピの材料
- ジン:45ml
- ライムジュース:15~20ml
- ジンジャーエール:full up
カットライムも一緒に入れる場合もあります。
一般的なレシピの作りかた
- 冷えたグラスにジン・ライムジュースを入れる
- 氷を入れ、材料が馴染むまでステア
- ジンジャーエールで満たし、最後に1回ステア
本格的なレシピの材料
- ジン:45ml
- ライムジュース:15ml
- ショウガ:20回摺るくらい
- ジンジャービア:full up
本格的なレシピでは【生のショウガ】を摺り下ろします。
【ジンジャービア】はジンジャーエールの原型と言われている炭酸飲料です。炭酸を後から注入するのではなく、ショウガと糖を発酵させるときに生じるナチュラルな炭酸のみで造られます。ジンジャーエールと比べ、しっかりとショウガの風味がするので、甘ったるくなりません。
本格的なレシピの作りかた
- 冷えたグラスにジンを入れる
- ショウガを摺り下ろし、摺り終わったショウガの上にライムジュースを流す(水分を入れることで、摺ったショウガをグラスに入れやすくする)
- ライムジュースと一緒になったショウガを、茶濾しで濾しながらグラスに入れる
- 氷を入れ、材料が馴染むまでステア
- ジンジャービアで満たし、最後に1回ステア
本格的なレシピはショウガとジンジャービアで仕上げているため、甘さは控えめで清涼感があり、しっかりとキックを感じられるカクテルになります。
ジン&ビターズ
ジン&ビターズは必要なバーツールが無く、道具がなくても作れるカクテルです。ジンの度数=ジン&ビターズの度数なので、お酒に弱い人は注意しましょう。
※正確に量りたい人はメジャーカップが必要
材料
- ジン:1グラス(冷凍庫で冷やしたもの推奨)
- アロマティックビターズ:3dash(グラス全体にリンスできる量)
作りかた
- グラスにビターズを振り入れる
- グラスを回しながら全体にまんべんなくビターズをリンスする
- ビターズでリンスされたグラスに冷えたジンを注ぐ
材料・作りかた共にかんたんなカクテルです。ジン本来の味わいに加え、ビターズが味を引き締め、香り高く仕上がります。ダイレクトにジンの味わいを感じられるので、合わせるジンは自分の好きなジンがよいでしょう。
ビターズを選ぶ目安は、カクテル初心者ならアンゴスチュラ・ビターズ、味わいを求めるならアボッツビターズです。
ジン&イット
【ジン&イット】も誰でもかんたんに作れるカクテルです。アルコール度数は高いので、お酒に弱い人は注意しましょう。
※面倒なら必要ないが、基本メジャーカップは必要
材料
- ジン:1/2
- スイートベルモット:1/2
1/2ずつなので、ジン30mlならスイートベルモットも30mlです。
作りかた
- グラスにジンを入れる
- ジンの上からスイートベルモットを注ぐ
- 軽く混ぜる
オールドスタイルはすべて常温で作りますが、そこは好みなので、冷えたグラスに冷えたお酒を使っても問題ありません。
ジンの香りとスイートベルモットのハーブ感、甘さがマッチして、非常にシンプルながら素材のよさを感じられるカクテルです。
ジンライム
ジンライムは、作りかたや材料によって味わいがかなり変わるカクテルです。レシピをいろいろ試してみて、自分に合った味わいを作ってみましょう。
材料
- ジン
- ライムジュース
- ライムコーディアル(ライムシロップ)
- シュガーシロップ
上記の中から使うものや配合を決めましょう。例えば、
- ジン45ml・ライムコーディアル15ml
- ジン45ml・ライムジュース15ml・シュガーシロップ1tsp
- ジン42ml・ライムジュース10ml・ライムコーディアル8ml
という感じです。
作りかた
材料を氷とともに馴染むまでよくステアするだけです。氷は家飲みの場合、普通の氷と丸氷のどちらでもかまいません。シロップを多めに使う場合、しっかりステアをして混ぜ込まないと、かなり重たいカクテルになってしまうので注意が必要です。
丸氷を使う場合のポイント
- グラスに入れる前に丸氷を水にさらして霜を取りましょう。材料を注いだときに溶けにくくする作用があります。
- 液体が飛び散るのを防ぐため、材料よりも先に氷をグラスに入れる
- 材料を入れる前にグラス内の水気をきる
ネグローニ
ネグローニは日本ではそこまで浸透していないけれど、海外ではとても人気のあるカクテル。甘苦く、重厚感のある味わいで、アルコール度数もそこそこ高めです。
材料
- ジン
- カンパリ
- スイートベルモット
- (マルティーニビターズ)
【ジン・カンパリ・スイートベルモットを等量(20mlずつ)】か【ジン30ml・カンパリ・スイートベルモット・マルティーニビターズを10mlずつ】あたりがおすすめの配合です。「甘くて重いな」と思ったら、ジンを増やしてスイートベルモットを減らしてみましょう。
作りかた
材料を氷とともに馴染むまでよくステアするだけです。氷は家飲みの場合、普通の氷と丸氷のどちらでもかまいません。しっかりとステアをしないと、アルコール感を感じやすく、重たく、飲みづらいカクテルになってしまうので注意が必要です。
自宅用カクテルベースにおすすめのジン3選
自宅でカクテルを作る用のジンなので、コスパと汎用性を重視しました。
ビーフィーター 47%
【ビーフィーター 47%】はバーテンダーも御用達のジンです。通常のビーフィーターはアルコール度数が40%なのですが、47%のほうが他の素材に負けることなく、うまく馴染んでくれます。
価格も安く、とてもシンプルな味わいでどんなカクテルに使っても一体感が生まれるので、どのジンを買おうか迷ったらまずはこれがおすすめです。
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タンカレー
【タンカレー】は4回蒸溜で造られるジンで、雑味がなくクリアな味わいが特徴です。度数も47.3度と、上で紹介したビーフィーターと同じくらいあります。使用しているボタニカルはジュニパーベリーを含め4種類だけと、かなりシンプルです。
ビーフィーターと比べると甘く華やかな印象で、カクテルに使うと、複雑ではなく「わかりやすい味」に仕上がります。
No.3
【No.3】は少し高めのジンですが、非常にバランスが取れたジンです。カルダモンの風味が特徴的で、柑橘とスパイスをよく感じられます。
カクテルに使うと複雑で深い味わいになり、家で作るカクテルのグレードを上げてくれるでしょう。
まとめ:家で作るカクテルは自由に作ろう!
この記事では僕のおすすめのレシピや実際に作っているレシピを書きましたが、あくまで参考程度にとどめておきましょう。
自宅でカクテルを作るメリットは、試行錯誤して作ることによって「自分の好みの味にできる」ことです。
あまり凝り固まらず、自由な発想・自由な方法で作れば、カクテルメイク自体がきっと楽しくなります。
▼カクテルレシピを覚えたい人におすすめの本▼
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