一度は飲んでおきたいおすすめのジンまとめ【バーテンダーが厳選】

近年、世界中でジンブームが到来し、国内外に多数の新設蒸溜所が増えています。

日本国内でもジンの消費量は増えており、バー以外でも居酒屋を始めとする多くの飲食店にジンが置かれるようになりました。

そんなジンを今後もっとよく知りたいと思ったとき、どんな銘柄を飲んでいけばよいのでしょうか。

そこで今回の記事では、現役バーテンダーが一度は飲んでおくべきジンの銘柄を厳選してご紹介します。

ソーダ割りやカクテルなど、「今よりももっと家でジンを楽しみたい！」という人は必見です。

まずはジンのスタイルについて知っておこう

ひとことに「ジン」と言っても、実はさまざまなスタイル（種類）に分けられているのをご存知でしょうか？

ジンのスタイルは明確に区分・定義化されているものばかりではありませんが、この記事では大きく4つのスタイルに分けています。

ロンドン・ドライ・ジン

一般的に多くの人が「ジン」と言ってイメージするのはこの「ロンドン・ドライ・ジン」です。

名前のとおりイギリスのロンドンが発祥ですが、現在は世界中で生産されており、造り方やスタイルがずれていなければイギリスで造られていなくても「ロンドン・ドライ・ジン」と名乗れます。

プリマス・ジン

プリマス・ジンとは、イングランド南西部の沿岸都市「プリマス」で造られるジンのことを指します。

ジンのスタイルの1つとなっていますが、実はプリマス・ジンを生産できる蒸溜所は同名の蒸溜所「プリマス・ジン蒸溜所」だけです。

オールド・トム・ジン

雑味の多いジンしか造れなかった時代、風味を良くしようとリコリスなどの甘草や甘味料を加えたのがきっかけで造られたと言われているジンです。

禁酒法時代にあった黒猫（Old Tom Cat）を模した自販機のようなものにコインを入れると、猫の足からジンが出てきたことから名前が付けられたとされています。

ジュネヴァ

通常のジンがさまざまな穀物を原料にして造るのに対して、ジュネヴァは麦芽（モルト）を使って造られるジンです。

モルトを使っているだけあって、ウイスキーのようにしっかりとした風味が感じられ、ジュニパーベリーの風味は抑えめとなっています。

原産地呼称制度が適用されているため、オランダ・ベルギー・ドイツの一部地域・フランスの一部地域で造られたものしかジュネヴァと名乗れません。

その他のスタイルのジン

これより以前にご紹介した4つのスタイルと比べるとサブカテゴリーのようになってはしまいますが、さらに細かな4つのスタイルも記載しておきます。

初心者でも必ず飲んでおきたいおすすめのジン5選

とても有名な銘柄で、ジンのスタイルをしっかりと表現しているスタンダードな銘柄を5つご紹介します。

初心者がどのジンから飲み始めようか、またどのジンを知っておいた方がいいのかに迷ったら、まずは以下の銘柄から飲み始めましょう。

ビーフィーター ジン

原産国	イギリス
分類	ロンドン・ドライ・ジン
容量 / 度数	750mL / 47％
ボタニカル	オレンジピール、レモンピール、コリアンダー、アーモンドパウダー、オリス、リコリス、アンジェリカルート、アンジェリカシード

「ビーフィーター ジン」は、どのスーパー・コンビニにも置いてあるくらいの有名な銘柄です。

とてもバランスが良く、爽やかかつ厚みのある味わいが特徴で、ジンのスタンダードな風味を感じられるため、入門編としてぴったり。

ちなみに750ml・47％のものと700ml・40％のものがありますが、しっかりとジンの風味を感じたい人やカクテル用に使いたい人は度数が高い47％のもの、お酒に弱い人は度数が低い40％のものがおすすめです。

ゴードン ロンドン ドライジン

原産国	イギリス
分類	ロンドン・ドライ・ジン
容量 / 度数	750mL / 43％
ボタニカル	非公開

「ゴードン ロンドン ドライジン」は、ロンドン・ドライ・ジンの中でも長い歴史を持つジンです。

安く一般的な銘柄でありながら、世界で名誉ある賞をいくつも受賞しています。

ジュニパーベリーの風味がしっかりと感じられ、味はビーフィーター ジンと比べてドライめです。

こちらも750ml・43％のものと700ml・37.5％のものがありますが、お好みで飲んでみましょう。

タンカレー ロンドン ドライジン

原産国	イギリス
分類	ロンドン・ドライ・ジン
容量 / 度数	750mL / 47.3％
ボタニカル	コリアンダー、アンジェリカルート、リコリス

「タンカレー ロンドン ドライジン」は、今回ご紹介するジンの中でもかなりドライな部類です。

とてもシンプルな味わいなので、そのまま飲むというよりもカクテルとよく馴染みます。

一般的なジンよりも蒸溜回数が多く、4回蒸溜によって生まれるクリアでキレのある味わい、しっかりとしたジュニパーベリーと柑橘系の風味が特徴です。

ボンベイ・サファイア

原産国	イギリス
分類	ロンドン・ドライ・ジン
容量 / 度数	750mL / 47％
ボタニカル	リコリス、カシア樹皮、コリアンダーシード、アンジェリカルート、オリス、レモンピール、ギニアショウガ、クベバ、アーモンド

「ボンベイ・サファイア」は、しっかりとしたボタニカルの風味が特徴のジンです。

クリアな飲み口と複雑味を同時に持ち合わせており、華やかさが感じられます。

カクテルに使うとジンの風味が強く出るので少々難しい部分もありますが、いつも使っているジンよりも力強い風味を出したい人におすすめです。

プリマス・ジン

原産国	イギリス
分類	プリマス・ジン
容量 / 度数	700mL / 41.2％
ボタニカル	コリアンダーシード、レモンピール、セビルオレンジピール、アンジェリカルート、グリーンカルダモン、オリスルート

「プリマス・ジン」はイギリス国内で稼働しているジンの蒸溜所で、もっとも古い蒸溜所で造られるジンです。

カクテルの王様と言われる「マティーニ」のオリジナルレシピにも使われたと言われています。

とても爽やかな風味で、なめらかな口当たりの中にも味に厚みがあるのが特徴です。

慣れたら飲んでおきたいおすすめのジン11選

ここからは価格帯がほんの少し上がり、かつ味も特徴的なものが多くなります。

ジンの良さをより感じたい人におすすめの銘柄を厳選しました。

タンカレー No.10

原産国	イギリス
分類	ロンドン・ドライ・ジン
容量 / 度数	750mL / 47.3％
ボタニカル	「タンカレー ロンドン ドライジン」に使われるボタニカルに加え、グレープフルーツ、オレンジ、ライム、カモミール

「タンカレー No.10」は、「タンカレー ロンドン ドライジン」の上位モデルです。

とても質の高いジンで、世界的なお酒の品評会「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション」の殿堂入りを果たした唯一のジンでもあります。

なめらかな飲み心地とクリアな味わい、しっかりと感じられる柑橘系の風味が特徴です。

通常のタンカレーと同様、カクテルとはよく馴染みます。

ボンベイ・サファイア プレミアクリュ

原産国	イギリス
分類	ロンドン・ドライ・ジン
容量 / 度数	700mL / 47％
ボタニカル	リコリス、カシア樹皮、コリアンダーシード、アンジェリカルート、オリス、レモンピール、ギニアショウガ、クベバ、アーモンド、ムルシア産レモン、マンダリンオレンジ、スイートオレンジ

「ボンベイ・サファイア プレミアクリュ」は、「ボンベイ・サファイア」の上位モデルです。

ムルシア産レモンをメインに使うことで生まれる、爽やかな風味が楽しめます。

ベーシックなロンドン・ドライ・ジンよりもフレッシュな印象が強く、スッキリした味わいを求める人におすすめです。

ヘンドリックス・ジン

原産国	スコットランド
分類	ドライ・ジン
容量 / 度数	700mL / 41.4％
ボタニカル	オレンジピール、エルダーフラワー、コリアンダーシード、オリスルート、キャラウェイシード、クベブベリー、アンジェリカルート、カモミール、レモンピール、ヤロウ
エッセンス	キュウリ、バラの花

「ヘンドリックス・ジン」は、キュウリとバラの花びらのエッセンス（エキス）が加えられた珍しい味わいのジンです。

シンプルにストレートやロックでもおいしいですが、カクテルに使っても華やかに仕上がります。

爽やかでさっぱりとした風味とフローラルさを感じられ、優しめの味わいで香り高いのが特徴です。

No.3 ロンドン ドライ ジン

原産国	オランダ
分類	ドライ・ジン
容量 / 度数	700mL / 46％
ボタニカル	オレンジピール、グレープフルーツ ピール、アンジェリカルート、コリアンダー シード、カルダモンポッズ

「No.3 ロンドン ドライ ジン」は、ロンドン最古で英国王室御用達のワイン商「BB&R（ベリー・ブラザーズ＆ラッド）」が手掛けるジンです。

「ジュニパーを正面に据えてロンドン・ドライ・ジンの本質を表現する」「クラッシックドライマティーニに最も合うジンであること」をコンセプトに造られています。

カルダモンの風味を中心に、厚みがあり複雑さのある味わいが特徴です。

モンキー 47

原産国	ドイツ
分類	ドライ・ジン
容量 / 度数	500mL / 47％
ボタニカル	アーモンド、ミント、オールスパイス、ローズヒップ、ジャスミン、他多数（全47種類）

「モンキー47」は、ドイツの「シュヴァルツヴァルト（ブラックフォレスト）」にある蒸溜所で造られるジンです。

1番の特徴は、47種類ものボタニカルが使われていること。

フローラル・スパイス・ビター・ハーバル・フルーティーと、複雑な味わいです。

ジントニックなどカクテルに使うと、とても複雑な味わいになり、そのまま飲んでも香水のような香り高い風味が楽しめます。

シュリヒテ シュタインヘーガー

原産国	ドイツ
分類	シュタインヘーガー
容量 / 度数	700mL / 38％
ボタニカル	非公開

「シュリヒテ シュタインヘーガー」は陶器ボトルが目を引く、ドイツの伝統的なジンです。

ドイツではビールと一緒に飲まれているそう。

ジュニパーベリーの風味は弱めで、なめらかな味わいとまろやかな口当たりが特徴です。

ヘイマンズ オールドトム ジン

原産国	イギリス
分類	オールド・トム・ジン
容量 / 度数	700mL / 41.4％
ボタニカル	コリアンダー、レモンピール、オレンジピール、アンジェリカルート、シナモン、カシア樹皮、リコリス、ナツメグ、オリスルート

「ヘイマンズ オールドトム ジン」は、約2％の糖蜜を入れて造られる甘口のジンです。

150年以上前の伝統的なオールド・トム・ジンのレシピを現代に再現し、復刻しました。

とてもまろやかで飲みやすく、カクテルの「トム・コリンズ」やクラシックカクテルの1つである「マルティネスカクテル」などが作れるようになります。

バスタブ・ジン

原産国	イギリス
分類	コンパウンド・ジン
容量 / 度数	700mL / 43.3％
ボタニカル	オレンジ ピール、コリアンダー、カシア、クローブ、カルダモン

「バスタブ・ジン」は、ジンのもととなるスピリッツに直接ボタニカルを浸漬させて造る「コンパウンド・ジン」の1つです。

液体は漬けたボタニカルによってほんのり色づいており、風味も豊かに広がります。

クリーミーな口当たりと爽やかかつしっかりとした飲み心地です。

季の美 京都ドライジン

原産国	日本
分類	ドライ・ジン
容量 / 度数	700mL / 45.7％
ボタニカル	オリス、赤松、柚子、レモン、玉露、ショウガ、赤紫蘇、笹の葉、山椒の実、木の芽

「季の美 京都ドライジン」は、米を原料に造られるスピリッツをベースに、日本由来のボタニカルを使って造られる国産のジンです。

クリアで繊細な味わいは「和」を感じさせ、日本由来のボタニカルの風味は親しみやすさも感じます。

ロンドン・ドライ・ジンと比べると独特の香りがしますが、とてもバランスが良く、品の良い味わいです。

ジャパニーズクラフトジン ROKU

原産国	日本
分類	ドライ・ジン
容量 / 度数	700mL / 47％
ボタニカル	桜花、桜葉、煎茶、玉露、山椒、柚子、コリアンダーシード、アンジェリカルート、アンジェリカシード、カルダモンシード、シナモン、ビターオレンジピール、レモンピール

「ジャパニーズクラフトジン ROKU」は、サントリーがリリースする国産のジンです。

日本の四季が育む旬のボタニカルが使われており、複雑かつ繊細な「和」のテイストが感じられます。

とてもスッキリとした味わいで、ほんのり感じる桜の風味が特徴的です。

ニッカ カフェジン

原産国	日本
分類	ドライ・ジン
容量 / 度数	700mL / 47％
ボタニカル	柚子、甘夏、かぼす、山椒、リンゴ

「ニッカ カフェジン」は、クリアな味わいに仕上げすぎず、グレーンスピリッツの風味をほどよく残す「カフェ式蒸溜器」を使って造られる国産のジンです。

柑橘系の爽やかさと山椒由来のスパイシーな風味が特徴で、コクのある味わいが楽しめます。

ほんのりと甘みも感じられ、カクテルに使ったときにしっかりとした存在感を発揮。

一度は経験しておきたいおすすめのジン4選

主流なジンではないものの、今後飲んでおくとよりジンの楽しみ方が広がったり、素晴らしい経験をもたらしてくれたりするジンの銘柄を4つご紹介します。

ビクトリアンバット・ジン

原産国	イギリス
分類	ロンドン・ドライ・ジン
容量 / 度数	700mL / 47％
ボタニカル	非公開

「ビクトリアンバット・ジン」は、一般的なジンに使われている2倍の量のジュニパーベリーが使用されたジンです。

ビターかつスパイシーな味わいをしっかりと感じられ、ジントニックを作ったときに奥行きのある味わいに仕上がります。

ジュニパーベリーの風味は強いですが、ドライでシンプルな味わいなので飲みやすいです。

ボルス ジュネヴァ

原産国	オランダ
分類	ジュネヴァ
容量 / 度数	700mL / 42％
ボタニカル	アンジェリカ、ショウガ、コリアンダー

「ボルス ジュネヴァ」は、モルトを原料に造られる「ジュネヴァ」という分類に属しているジンです。

ジュニパーベリーの風味は強くなく、味わいはウォッカとニューボーンウイスキーのような要素も持っており、モルト由来の甘さを感じます。

昨今、ジュネヴァを置いているバーも少なく、なかなか外で飲む機会はないでしょうが、ジンのスタイルの1つなので、一度は飲んでおきたいところです。

フォーピラーズ ネイビー・ストレングス・ジン

原産国	オーストラリア
分類	ネイビー・ストレングス・ジン
容量 / 度数	700mL / 58.8％
ボタニカル	コリアンダー、グリーンカルダモン、カシア、スターアニス、ラベンダー、アンジェリカ、ペッパーベリー、レモンマートル、オレンジ、フィンガーライム、ターメリック、ショウガ

「フォーピラーズ ネイビー・ストレングス・ジン」は、アルコール度数が58.8％と高度数の「ネイビー・ストレングス」に分類されるジンです。

スパイシーかつ爽やかで強烈な風味がありつつも、甘みとクリアな味わいが楽しめます。

カクテルに使うと、パンチの効いた味わいとしっかりとしたジンの風味が生まれるため、いつも作るカクテルでは度数や飲み心地が足りないという人におすすめです。

キュロ ダーク ジン

原産国	フィンランド
分類	熟成ジン
容量 / 度数	500mL / 42.6％
ボタニカル	非公開（17種類のボタニカル）

「キュロ ダーク ジン」は、アメリカンオーク樽で3～12ヶ月間熟成した「熟成ジン」に分類されるジンです。

熟成樽由来のハチミツのような甘さとジン本来の爽やかさ、フローラルさ、スパイシーさが楽しめます。

カクテルはもちろんのこと、ストレートやロックで飲むのもおすすめです。

まとめ：ジンはさまざまな種類があり味わいも千差万別

ジンには本当にたくさんの種類・スタイルがあり、おそらくこの記事を読んで初めて知った銘柄もあることでしょう。

異なるタイプや味わいのジンを知れば、今の家飲みがさらに充実すること間違いなしです。

これを機にさまざまなジンを買って、いろいろな飲み方を試してみましょう。